インターステラーの分からない言葉まとめ

初めて観たとき、宇宙の壮大なスケールに圧倒されました!が、理系じゃない私には分からない言葉がたくさんあったので、初めて観てからだいぶ時間は経ちましたが、調べてみました。知らないで観るのと、調べてから観るのとではやはり、格段に違いました。SF映画にハマりそうな予感…

出典:Amazon.co.jp

公開日:2014年11月22日

上映時間:2時間49分

脚本・監督:クリストファー・ノーラン

キャスト

マシュー・マコノヒー(クーパー役)

アン・ハサウェイ(アメリア・ブランド博士役)

ジェシカ・チャステイン(マーフ 成人役)

マイケル・ケイン(ジョン・ブランド教授役)

ケイシー・アフレック(トム 成人役)

ジョン・リスゴー(ドナルド・クーパー役)

マット・デイモン(マン博士役)  他

あらすじ

環境問題が深刻化した地球の近未来。人間の生活も食糧不足となり、人類は滅亡の危機に陥っていた。主人公・クーパーは元宇宙飛行士。息子・トムと娘・マーフ、義理の父親のドナルドと4人暮らし。

マーフの部屋は、本棚から勝手に本が落ちるなどのポルターガイストのような現象が起こっていた。砂嵐の強いある日、マーフは部屋の窓を開けっ放しだったのを思い出して、すぐに部屋へ。クーパーも後を追い、砂埃が舞う部屋の窓を閉めると、床に溜まった砂が、何かの暗号のように規則性を持っていた。クーパーがそれを暗号化すると、座標だと判明。地図をもとに、砂が表していた座標の地へ行くと、そこは今は無きはずのNASAだったのだ。食糧難が続く世の中で、宇宙探査への巨額な出費は国民の反感を買うとして、NASAはとうの昔に無くなっていたのだが、秘密裏に政府がNASAを復活させており、人類滅亡の危機を救うため水面下で活動を続けていたのだ。

なぜ、マーフの部屋の砂埃がクーパーをNASAへ導いたのか。。

人類はこのまま滅亡してしまうのか。。

人類に最後に残された希望は、クーパーに託されたのだった。

作品の時代設定について感じたこと

近未来というと、科学や技術が更に発展しているハイテクノロジーなイメージを勝手にもってしまうのですが、この作品では地球温暖化など環境問題が進んでしまった近未来が描かれています。砂嵐のシーンから大地の砂漠化や砂漠化に伴う食糧不足など、現実社会において問題視されていることであり、地球の行く末が描かれているようで危機感を感じました。

わからない言葉まとめ

ここからは私のように、一度は観たことあるけど、分からない言葉が多かったなぁと感じている方向けの内容なのでネタバレあります。

初めて観る方は、映画を観てわからない言葉があったと思ったら、またこのページを覗きにきてみてください!

①“マーフィーの法則”

【シーン】クーパーの運転する車で学校へ行く途中、クーパーの合図でマーフがギアチェンジをしたと同時にタイヤがパンクしたシーンで、トムがマーフをおちょくる言葉として使われています。

マーフィーの法則は、“経験したことから見いだされる法則”のことで、様々な表現方法があるようです。この作品では下記の2つが当てはまります。

・「失敗する可能性のあるものは、失敗する」

・「起こる可能性のあることは、いつか実際に起こる」

引用:Wikipedia

トムが表現した意味は前者。

マイナスの言葉で表現されているだけに、マーフは「なぜこの名前にしたのか」と凹んだ様子でした。

その問いに、クーパーは、後者のプラスの言葉を使ってなだめています。

ちなみに、マーフィーの法則についてもう一歩踏み込むと、

社会学者の小池靖は、ニューソート思想のジョセフ・マーフィーの著作のパロディであると述べている

引用:Wikipedia 

(※ジョセフ・マーフィー・・・イギリス出身の牧師)

とあります。

ニューソート(New Thought)とは・・・

ニューソートは、聖書の内容を従来とは違う立場から解釈しようとするもので、「人間の意識は宇宙と繋がっている」と考え、その根拠を聖書に求めるのが主流である

引用:Wikipedia

ということで、調べてみると、人類の危機を救うことになる、ジョセフ・クーパーと、マーフ(マーフィー)の役名は、ここからきているのではないかと、思わざるを得ないような気になります。宇宙をテーマにしたこの作品と、リンクするものがあり、この部分だけでも何かメッセージ性があるように思えてなりません。

②「ラザロ計画」の“ラザロ”

【シーン】クーパーとマーフが座標地点である、NASAにたどり着き、ブランド博士から、人類を救うために、地球を救うのではなく地球から去り、別の銀河に移り住むという計画を聞かさたときにこの言葉が使われ、クーパーが「不吉な名前だ」と言い、ブランド博士が「聖書では蘇った」と言っています。

「ラザロ」はイエス・キリストの友人

病気で亡くなったラザロの死を悲しんだイエス・キリストがラザロの墓前に行き、ラザロを死より甦らせたというキリスト教にまつわる人物です。

こういったことから、キリスト教徒の多い欧米を中心に、復活・蘇生といった学術的な言葉に取り入れられているようです。

部分的にみると、ラザロ計画の一員であったマン博士の惑星に、クーパーやアメリアが行き、マン博士が冬眠カプセルでの長い眠りから覚めたシーンと重なります。

全体的にみると、NASAが失くなったと同時に、ラザロ計画も中断となっていましたが、NASAが秘密裏に復活したことで、ラザロ計画も復活した様子を表現しているかのようです。

③ワームホール

ワームホールとは、吸い込む穴のブラックホールと、はき出す穴のホワイトホールを結ぶ仮想的な時空のトンネル。

(実際には未だ観測されていません。)

出典:JAXA宇宙情報センター

ブラックホールとホワイトホールとは・・・

ブラックホールは、光でさえも飲み込んでしまうほどの強い重力を持つ天体、いわば時空に開いた“穴”なのですが、理論上、時間方向に反転してやるとなんでも吐き出す穴、すなわちホワイトホールの存在を考えることができます。

引用:JAXA宇宙情報センター

この作品では、

・土星付近の時空が歪んでいるところがワームホールで、ワームホールの先は、別の銀河につながっているとしています。

【シーン】土星付近にたどり着くまでの間、長い眠りについていたクーパーたちは、眠りから覚め、いよいよワームホールを通過します。通過しているときにアメリアが時空の歪みに手を伸ばす場面。

④特異点

太陽の20倍・30倍を超えるような質量のある非常に重い星が終わりを迎えるときに、超新星という大規模爆発が起こりその後に、残された中心核が自らの重力に耐えきれずに極限まで潰れていった天体がブラックホールで密度が高く、重力が非常に強いため、宇宙で最速の光でさえも飲み込んでしまいます。そして、その中心が特異点。

ちなみに、地球の重さは太陽と比べると約30万分の1しかありません。

なので、この作品のガルガンチュアは超巨大ブラックホールなのでしょう。

 

⑤事象の地平線

ブラックホールに近づくと、ある境界を超えると飲み込まれてしまうとされています。この境界のことを「事象の地平線」または「事象の地平面」というそうです。

事象の地平線の先は、光でさえも脱出不可能なので、観測することはできないようです。知り得ることができない、まさに未知の世界ですね。

【シーン】ワームホールを通過した後に、ミラーの星へ行くためのミーティング中の会話で、「コップの縁」とも表現されていました。

⑥相対性理論

相対性理論は、「光の速さが常に一定で普遍」ということを、アインシュタインが発見。「光の速さが絶対的」ということです。

それまでは、「宇宙は一定のテンポで流れている」というニュートンが発見した「絶対時間」が常識とされていましたが、それを覆したのがアインシュタインの相対性理論のようです。

特殊相対性理論と一般相対性理論をまとめて相対性理論と言われているのですが、わかりやすい記事があったので下記引用をご参照ください。

“今まで絶対的とされていた「時間」は、どこからなにを計測するかによって1秒の感じ方が変わる”相対的”なものであるとしたのです。それが、特殊相対性理論です。”

一般相対性理論では、「重いもの=重力が強いもののまわりでは、時間が遅く流れる」ということを示しました。”

引用:lifehacker 理論物理学の専門家 大関真之氏による解説

【シーン】ミラーの星へ行ったとき、アメリアが語っていたように、“時間は「相対的」なもので、伸びたり縮んだりする”ということが、相対性理論のようです。ミラーの星は地球より重力が強いので、ミラーの星の1時間は、地球の7年ということなのですね。

⑦運動の第3法則

学生の頃、理科で作用・反作用というのを学んだと思うのですが、そのことです!

【シーン】アメリアをエドマンズの星へ行かせるために、クーパーが自分を犠牲にして、自分の乗っているレインジャー2号を分離する場面。

三次元・四次元・五次元

三次元・・・縦/横/奥行で成り立つ、私達が日頃見ている空間や動画(二次元である静止画に、一次元である時間が加わっているため)

四次元・・・三次元(縦/横/奥行)に時間を加えた次元。この観点から私達は四次元空間に生きているとも言える。

五次元・・・無数の時間軸が存在する世界

【シーン】クーパーがブラックホールに吸い込まれ、レインジャー2号から射出し、身が放り投げだされたとき、「彼ら」が作った五次元の世界に導かれた場面。

 

●言葉を調べたあとの考察

プランA(居住可能な星を見つけて移住)を実現するためには、重力が解明できなければならず、ブランド教授があと一歩というところで解けなかった答えが「特異点」にありました。

それを裏付けるシーンは、ミラーの星へ出発直後のシーンで、ロミリーが「特異点が観測できれば重力を解明できる」と語っているのと、マン博士が眠りから覚めたときに全てを種明かししていた場面です。

ブランド教授は、マン博士がラザロ計画で飛び立つ前に方程式は解けていて、特異点の観測が不可能なことは分かっていたので、プランAが実現しない=現代の人類は地球で滅びるという結末を分かっていました。それを知っていたのは、ブランド教授とマン博士。そして、マン博士の種明かしを聞いても動揺しなかったことと、重力を解明するために必要な情報が分かっていたところをみると、ロミリーも知っていたのでしょうね。

また、人類存続のための最後の現代人のなかの一人に娘を選んでいたからこそ、アメリアには伝えられず、クーパーもその事実が分かれば、この計画に加わらないことは明らかなので伝えなかったのでしょう。

プランB(受精卵を人工培養して人類を存続させる)は着々と進み、プランAは人々の混乱を避けるために、かたちだけ残されていたということでした。

ですが、クーパーが五次元の空間に導かれ、ブラックホール内の量子データをモールス信号へ変換してマーフへ届いたことで、ブランド教授が解けなかった重力の謎をマーフが解き明かし、クーパーステーションができ、五次元の世界を創り出すことに成功し、かつ、アメリアが行ったエドマンズの星が、居住可能な星だったことで、最終的にラザロ計画のプランAが実現できたというわけです。

「“彼ら”とは自分自身のことで、選ばれたのがマーフだった」とクーパーが語っていたシーンがありましたが、クーパーがいなければ量子データを送ることがきずに、重力の謎が解けなかった。また、マーフがいなければ、送られてきた量子データに気づけないまま、重力の謎も解けず、五次元の世界を創り出すことができなかった。となると、クーパーはブラックホールの彼方へと消えてしまっていた、と考えられるのではないでしょうか。

つまり、“彼ら”とは、クーパーとマーフの2人のことだったのではないかと思えました。

クーパーが導かれた五次元の空間が閉じられた次の瞬間、ワームホールを通過したときにアメリアが時空の歪みに手を伸ばしていた空間にクーパーはいます。このシーンから、入ってきたワームホールから再び脱出し、地球のある太陽系に戻ってきたということがわかります。それは、クーパーが救出され、クーパーステーションに運ばれたあと、目覚めたときに医師が「クーパーステーションは土星の軌道上にある」と語っていることからも裏付けられます。

最後に・・・

「愛が観察可能なら何かで数値化できるはず」という言葉のとおり、重力のように愛は時空を超え、父と娘を引き寄せ、世界を救ったという、まさに壮大なスケールの感動作だと改めて感じました。

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